モーニングセット
カフェ&レストラン

トリコロールでモーニング

東京・銀座にある「カフェ・ド・トリコロール本店」は、昭和9年創業の老舗喫茶店です。時代の移ろいを感じさせるクラシックな店構えと、丁寧に淹れられるコーヒーが特徴で、静かな時間を求める人々に長年愛されてきました。今回は、そんなトリコロールの魅力を、特に人気のモーニングセットとともにご紹介します。

歴史ある喫茶店の佇まい

トリコロール本店は、銀座の一角にひっそりと構える洋館のような外観が印象的です。重厚な扉を開けると、店内は木目調の落ち着いたインテリアに包まれており、まるで昭和の映画に登場するような空間が広がります。天井にはシャンデリアが揺れ、制服を着たスタッフが静かにサービスを行う様子は、まさに「正統派の喫茶店」という言葉がふさわしい雰囲気です。

モーニングセットの魅力

朝の時間帯に提供されるモーニングセットは、厚切りトースト、ゆで卵、ミニサラダ、ドリンクがセットになったシンプルな構成です。しかし、このセットには、創業当時から変わらぬ「手仕事のこだわり」が詰まっています。

トーストは外はカリッと、中はふんわりと焼き上げられ、バターの香りが引き立ちます。サラダには新鮮な野菜が使用され、朝の胃に優しい味わいです。そして何より、ネルドリップで淹れられるコーヒーは、豊かな香りと深みのある味わいで、まさにこの店ならではの一杯といえます。

さらに、季節によっては限定のジャムや自家製のスプレッドが添えられることもあり、トーストの味わいを変化させる楽しみがあります。バターやジャムの素材にもこだわりが見られ、添加物を抑えたやさしい味が提供されます。

モーニングセットの提供時間も比較的長く、午前中の遅い時間に訪れても楽しめるのは、ゆったりとした朝を過ごしたい人にとっては大きな魅力です。平日でも比較的落ち着いた空間で、朝の予定前や仕事前の時間に立ち寄るビジネスパーソンも多く見られます。

朝の静けさと贅沢な時間

開店直後から訪れる常連客が多いのも特徴です。ビジネスパーソンや銀座に通う人々が、静かな朝のひとときを求めて足を運びます。BGMに流れるクラシック音楽や、窓から差し込む柔らかな光が、非日常の朝を演出します。

トリコロールでのモーニングは、単なる朝食ではなく、一日の始まりを丁寧に整えるための「儀式」ともいえる時間です。忙しない日常の中で、少しだけ立ち止まり、自分を整える時間を持つことは、現代人にとって贅沢な習慣と言えるでしょう。

このような時間は、単なる食事以上の価値を提供します。空間、味、サービスのすべてが調和することで、心が満たされるような体験が得られます。特に都市部では、このような喫茶文化が減少しているため、トリコロールのような存在は非常に貴重です。

近年では、若い世代の間でも「純喫茶」が再評価されており、昭和の雰囲気を求めて訪れる人も少なくありません。インテリアや食器、接客に至るまで、どこか懐かしく、しかし丁寧な空気が流れるこの店は、世代を超えて愛され続けています。

日常を少しだけ特別なものにしたいとき、静かに考えごとをしたい朝に、トリコロールのモーニングはおすすめです。銀座の一角で、喧騒を忘れさせてくれる時間が、ここにはあります。